XYZ3軸の加工の場合は、工具長補正は様々な設定方法があります。
例えば、T1番工具の補正値を0と置き、その他の工具をT1工具との差分で入力する場合があります。この設定方法の場合にはT1番工具が変わると補正の基準点が変わることになります。
この状態では、ワーク座標系(G54など)を使用する場合ワーク座標系原点のZオフセットも基準工具が変わると変わってしまいます。
5軸加工を行う場合、回転中心の位置とワーク座標系原点の距離が非常に重要になります。基準が変わってしまうと、回転中心の位置も変わってしまうことになり原点の移動量の計算が正確に行えなくなります。
よって工具長補正は基準を決めておく必要があります。
補正基準は、工具ホルダーを取り付けていない状態での主軸端面を基準にするケースが一般的ですが補正基準の統一性さえ保てれば主軸端面でなくても問題はありません。場合によっては、テーブル上面を基準にし、機械原点に主軸を復帰させた状態でテーブル上面と工具先端の距離を補正値とする場合もあります。
工具長補正を自動で行う場合は、特に問題ありませんがその時のおおよその基準は把握しておくと良いかもしれません。
右図は、テーブル2軸回転縦型5軸機の例で、主軸が原点復帰した状態を示しています。
この状態でまず工具長補正の基準は、主軸下端にしています。工具長補正は主軸下端から工具先端まで の距離(+値)となります。回転中心やワーク座標系原点のオフセットのXオフセット、Yオフセットは、機械原点からの距離となります。
次に、ワーク座標系原点のZオフセットは右の状態で主軸下端から、加工原点までの距離(−値)となります。 回転中心のZオフセットも同様に、主軸下端から、回転中心までの距離(−値)となります。
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この関係が保たれることにより、マクロプログラムによる原点計算や、同時5軸加工時の回転中心から、原点までの距離を正確に計算することが出来ることになります。