同時5軸加工を行う上で工具先端点制御(TCP)を使わない場合には、そのままのDATAで出力を行うと角度変化によって加工経路が大きく変わり、全く違う仕上がりになってしまいます。また送り速度についても一定の指令値で加工すると工具先端と製品との相対速度は場所によって大きく変わり加工時間が大きく変わることや工具動作が遅くなり仕上がりに影響することもあります。
これらを防ぐためポストプロセッサーでは先端点制御により近い動きが出来るように角度変化に対して出力DATAを分割して出力する必要があります。かつこの時刃部と切削物との相対速度が一定となるように速度を逆算してコントロールする必要があります。
角度の分割についてはCAMの設定で空間的に角度を保管させる機能が付いているものがあり、これによって急激な角度変化を防止できると勘違いされがちです。
この補間機能は空間的に角度を分割する機能のためNC DATAでの角度の急激な変化を防ぐことはできません。(ある程度まではこれによって経路変化を抑えることは出来ますが、完全ではありません)
これは機械の軸構成によって傾斜軸と回転軸の角度変化は空間的には判断が付かないためです。
よってポストプロセッサーでは計算結果の角度から角度変化を判断しその変化量から角度分割量を求め分割計算します。この時先端経路のみを補間すると保管中に工具姿勢を保つことが出来なくなるため補間時には指令点と工具ベクトルから移動時の仮想ルールド面を作成しそのルールド面上で分割を行う必要があります。
この計算は傾斜軸の変化量と回転軸の変化量のどちらも見る必要があります。
また工具姿勢ベクトルが工具主軸ベクトルと同じ方向になる場合、機械傾斜軸のリミットによって計算を変える必要があります。
この時に注意しなければならない点は指令点では工具姿勢ベクトルとZ軸ベクトルは一致しないがその間の経路として一致することもあります。この場合は、角度補間中に一致しているかの計算を行わなければなりません。その上で傾斜軸のリミットが+側のみ。−側のみの場合は、回転軸を180度回転させる補間を行わなければなりません。
これらの計算をCAMの角度補間機能と組み合わせることにより確実なDATAを出力することが出来ます。
また、速度指令については指令移動量がXYZ移動量と傾斜軸、回転軸移動量(角度)になりその数値を指令速度で動作するため、実際の工具と切削物との相対移動量と指令移動量から指令速度を計算する必要があります。
これらの内容は非常に難しい内容ですが、この機能を使わない場合と使う場合の動作の比較を行うと簡単に結果を把握することが出来ます。
同時5軸加工を行う上で工具先端点制御機能が制御機についていない場合には、この角度補間機能が無ければければ、加工用途は非常に限定されます。
ポストプロセッサーを作成する場合には、基本的に大まかに切削の確認と機械の確認を行います。この用途によって出力する形式を決定する必要があります。
例えば精密部品の加工を種に行う場合には、角度を割り出した平面で原点補正を行って再切削を行うなどの場合には、原点の自動設定ではなく、ワーク座標系番号を各面に割り当て後で修正できる形をとる場合もあります。
また2軸回転テーブルの取りはずしを頻繁に行う場合には、回転中心の座標を簡単に変更できるようカスタマイズするケースもあります。
これらの用途打合せによって、最適なDATA出力を供給するのがポストプロセッサーのカスタマイズになります。
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