工具先端点制御は、同時5軸動作指令を行う場合に、NC DATAで指令点を直線的に動作させる機能で、この機能を使うことにより、角度が大きく変化する場合にもNC DATAを微小分割する必要がなくなります。又この時基本的には指令点の移動速度を一定にすることも可能です。下の例は、先端点制御が無い場合の工具の動きとある場合の工具の動きを示します。すべて1行のGコード指令での動作と考えてください。
ヘッド旋回タイプ
DATAはボール中心で作成
工具先端点制御は、NCの指令点の直線を保持します。よって、DATAは、ボールエンドミルのボール中心で作成して初めて効果を発揮します。工具先端で長補正を行う場合やスクエアや、ラジアスのカッターでは、実際の先端は直線を保つわけではありませんので注意が必要です。(実際には、これらの場合でも工具先端点制御の無い場合に比べるとメリットは十分ありますが)
旋盤系での注意事項
複合旋盤などでC軸を回転させながら加工するスクリュー形状などの場合は、先端点制御が無いDATAはC軸が大きく回転した場合、円周上を工具が移動しますが、先端点制御を有効にすると直線的にDATAを補間するため多角形的に仕上がってしまう場合もありますので注意が必要です。
指令できるコード
先端点制御中に指令できるコードには限定条件があります。指令できないDATAを出力した場合にはエラーとなるので注意が必要です。
FANUC制御での基本的な出力例を3種類紹介します。
TCP TYPE T その1
TYPE TはG43.4で長補正を行いその時点から先端点制御が有効になります。この時の角度は機械構成に合わせた角度を出力します。XYZ座標は、実際の加工機でのXYZ座標を出力します。このDATAの場合、先端点制御を使う場合と使わない場合にほぼ同じDATAで加工する事が出来ますが、回転中心のずれなどはNC DATAを出力するときに計算する必要があります。
TCP TYPE T その2
上記1とはXYZの座標出力のみが違います。他は、上記と同じです。ここでのXYZ出力は、機械上での座標ではなく、CADCAM上での座標となります。つまり、傾斜軸回転軸が回る前のXYZ座標で出力します。このその1とその2の使い分けは、制御機のパラメータで設定する必要があります。(WKPパラメータ)その2のメリットは、機械構成が同じで回転中心が違う機械でDATAを共有することが出来ます。
TCP TYPE U
TYPE Uでの出力は長補正をG43.5で行い、XYZの出力は上記TYPE Tその2と同一です。角度については、実際の角度を出力するのではなく工具のベクトルをIJKで出力します。この場合実際の角度は制御機で計算されます。よって、IJKの出力桁数は多く取るほうが精度良く計算が出来ます。 TYPE Uで出力すれば機械構成が違う場合にも同じDATAを使用することが出来ます。 (上記のWKPパラメータによってこのTYPE Uが出力出来るかどうかは変わってきますので注意が必要です。)