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Tスロットカッタでの螺旋加工

はじめに


T溝加工や側面の溝加工などに特化したTスロットカッタ。
今回はTスロットカッタでの螺旋溝加工を検証すべく、VERICUTにて切削シミュレーションを行います。

加工形状

今回は下記のような溝形状をTスロットカッタを使用して螺旋溝加工を行います。


 

3軸で加工した場合 (XYZ3軸でヘリカル円弧指令を行った場合)



 

【結果】
・カッタが溝上下に食い込むため、断面形状が直角ではなくなる
・工具径が大きい場合、特に断面の不一致は大きくなる


工具径を小さくして3軸で加工した場合



 

【結果】
・工具径を小さくすることで、形状の不一致は多少改善


5軸で加工した場合

工具径の大きいTスロットカッタで螺旋リード角分工具を傾けて同時5軸で加工した場合

 

【結果】
・3軸加工の際と比べるとかなり状況は良くなるが、形状の不一致はまだ大きい


工具径を小さくして5軸で加工した場合



 

【結果】
・比較としてはこの状態が一番良好



検証結果

・ Tスロットカッタで螺旋溝加工を行う場合、断面は直角にはならない
・ 工具径を出来るだけ小さくし、5軸加工を行うことで公差内に収まる場合は可能
  ⇒ シミュレーションでの形状確認が必要
・ アングルヘッドを利用して加工することができる可能性もあり
  ⇒ Tスロットカッタに比べて工具径がかなり小さくなるので、周速が下がることも考慮が必要

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